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一度は封印した想いが動き出している。
映画づくりも事業化も、どっちも追いかけたい。

株式会社パラドックス・ホールディングス ディレクター 宮原 拓也

映像に心を動かされた原体験は、小2の頃。当時、家族でイギリスで暮らすことになって、言葉が全くわからない環境に放り込まれた状況の僕に、親が観せてくれたのがチャップリンやミスタービーンでした。言葉がなくてもこんなに笑えるんだ、映像って言葉の違いを越えて届くんだとドキドキしたのを覚えています。自分で撮影や編集をするようになったのは学生の頃です。買った一眼レフカメラに動画機能があることを知って、自分のバンドのミュージックビデオや、小さな映像作品をつくるようになりました。

それで就職も、映像プロダクションのディレクター職にしようとエントリーしていて、パラドックスも受けたんです。つまり、僕はパラドックスのディレクター職を映像制作のディレクターだと勘違いしていて、クライアントと向き合うブランディングのディレクターなのだとは全然わかっていなかったということ。 説明会を聞いたら全く違って、「なんだここは?」と。でも不思議と会社の考え方がしっくりきて、結局、その後の選考にも受かっていました。そういう人生なのだろうと、映像は一度、封印したんです。

ただ、入社2年目の頃、演劇系の友人や脚本家志望の友人に出会って、休日を使って5分くらいの映像を一緒につくったら、封印していたものが動き出しました。入社3年目の頃は仕事をしながら、夜、映画学校に通い、撮った作品が映画祭に入選したりするようになります。そして社会人5年目、「パラドックスで映画事業をやれないか」という僕の思いつきに、社長の猛之さんが応えてくださって、いま、3カ年計画での事業化を目指しながら、ホラー映画をつくっている自分がいます。

ビジネスとアート、組織と個、意識と無意識、小さな人間の意志と世界の原則、志を持って生きる自分と、ただ死にたくなくてジタバタする肉塊としての自分。たくさんの矛盾を生きてるのが僕という人間。ネガティブな意味じゃなく、世界ってそういうもので、どちらかに飲み込まれるのではなく、どっちも。その重心を探り続けるもの。映画とは鏡。観た人それぞれが、そこに自分が映っているように感じる、そんな映画をつくっていきたいです。

宮原 拓也

2017年、入社。 企業のブランディング領域のディレクターとして働きつつ、個人で映画をつくり始める。入社5年目で映画事業の立ち上げを提案。3ヵ年計画で映画の事業化を目指すプロジェクトを始動。『ROUTINE』がぴあフィルムフェスティバル2021入選、『EVEN』が東京国際映画祭AmazonPrime短編部門ファイナリスト、『あの夜を覚えてる』が「2022 62nd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS/メディアクリエイティブ部門 総務大臣賞/ACCグランプリ」を受賞。そのほか多数の入選や受賞経験あり。

生き様、様々。
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