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自分はこの道。
そう信じて歩み始められたとき、
人は本気になれるんですよね。

株式会社パラドックス 東京オフィス ディレクター 高田 訓子

パラドックスに加わる前は、精密機器メーカーで広報、宣伝などを11年、経験しました。携わったCMが全国に流れるのが当たり前。そんな規模の大きな仕事をさせていただいていました。ただ、30歳のあるとき、手術で入院した時期があったんです。ほんの一週間ほどの入院でしたが、同じ病室にがん患者さんもいる環境で、ふと自分の命にも限りがあることを初めて実感しました。親からもらった価値ある命。いつ死んじゃうかわからないのに、私はちゃんと使えているんだろうか。会社には貢献している。でも私にしかできないことで社会に貢献できているのだろうか。規模の大小じゃなく、どんな小さい仕事でも志ある仕事がしたいと考えるようになりました。その後、使命とは何かを追求しながらブランディングに取り組むパラドックスの存在を知って、これだと共感し、転職します。34歳のときでした。

それから4年ほどなのに、その倍は過ごしている気がします。決められた正解に向かって、チームの一人として働いていたときとは違って、自分が案件の真ん中で決断を繰り返しながらプロジェクトを動かすという仕事は難しいものでした。正解を探してしまい、悩んだ時期もありました。ただただシンプルにクライアントに向き合い、どうすれば志の実現に貢献できるのかを考えるだけだと気づいてから、前に踏み出せるようになった気がします。

理念策定のプロジェクトがスタートするときは、クライアントの社員の皆さんは半信半疑で集まってこられます。「大事なことはわかるけど、理念で会社が変わるの?」と。そんな方たちが対話を重ねてミッションやビジョンをつくっていくうちに、自分たちの存在意義に気づき始めるんです。もっと言える。ここまで言うこともできる。思っていた以上の自分たちの可能性に、自分たちで行き着いたとき、何か誇りのようなものが生まれている。自分の言葉で理念を語るようになっていく。本当に嬉しくなります。誰かに決められた道ではなく、自分でこの道だと信じて歩み始めたとき、やっぱり人は本気になれるんですよね。自分の意志で生きる人を増やしていくことを志として、私は私の命を使い尽くします。

高田 訓子

兵庫県宝塚市出身。生まれ育った家の家訓は「善悪・目標・感謝」。目標を持って行動する生き方を父から伝授され、自分の根幹を育む。慶應義塾大学卒業後、キヤノン株式会社広報・宣伝部門での勤務を経て、2019年中途入社。2022年から、パラドックス創業時からのクライアント、株式会社Plan・Do・Seeの担当ディレクターに。

生き様、様々。
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