PEOPLE

生きててよかったという瞬間が、
誰の人生にも訪れていいはずだ。

株式会社パラドックス 東京オフィス ディレクター 松永 実

言葉にする、という力が自分にあるならば、もっと人の近くで、顔の見える誰かのために、その力を使いたい。新卒からの3年間は、洗剤や化粧品などの消費財メーカーで、プロダクトに向き合う社内コピーライターとして働いていた。自分の携わったCMがテレビで流れたり、ネーミングした商品がドラッグストアの店頭に並んだりすることは嬉しかった。恵まれた環境だと思っていたし、転職をするつもりもなかった。でも、どうしても抑えられなかったのが、言葉で人を描きたい気持ち。生きているリアリティと接触する、手触りを欲している自分。そんな中で、以前から血の通った言葉を書く人たちだと気になっていた、パラドックスという会社に、気づけばたどり着いていた。

パラドックスで初めて一人で行った取材は、障害者の方への就労支援をしている人の取材だった。まず最初に「ぼくも緊張しています」と言おう。そんなことまでシミュレーションして、緊張して臨んだ。小さな原稿に精一杯のエネルギーを注いだことを、昨日のように思い出せる。入社2年目で担当した派遣会社の周年ブランディングプロジェクトもぼくにとって大きかった。創業からひとつの会社を築き上げた経営陣と、今日も全国の派遣現場で働く一人ひとりへの、膨大な取材とその編集。人間がはたらくとは何なのか?をリアルなストーリーを通して感じることができた。そして、今、担当しているニチイ学館さんの採用ブランディングでは、目の前の人を想って働く介護の仕事の意味がどうすれば世の中に伝わっていくかを考えている。

社会の隅々、さまざまな仕事の現場に、「一隅を照らす」という言葉のように、周囲を明るく照らすように働く人がいることを知って、ぼくの仕事観や人生観も変わった。この会社に入って6年。変わらないのは、人生を肯定して生きる人を増やす。生きててよかったという瞬間が、誰の人生にも訪れてほしいという思い。目指す山は大きくて、まだやっと麓のベースキャンプに着いたくらい。

松永 実

幼い頃から表現の仕事をすることを決めていた。言葉の仕事、なかでもコピーライターを大学3年の時に目指す。大学を卒業後、花王株式会社にコピーライターとして新卒入社。3年の勤務を経て、2017年パラドックスに中途入社。表現で、あらゆる仕事、人生を肯定していくために言葉や世界観をつくる日々。

生き様、様々。
RECOMMEND PEOPLE

もっと読む